山頂で開く小さな書店 「杣(そま)Books」
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- 4月25日
- 読了時間: 2分
細井 岳さん (上田市真田町 44歳)

林業に関心を寄せてほしくて
固定の店舗を持たず、県内外の山の頂上で不定期に〝開店〟する書店「杣Books」は、営業を始めて11年。山に吹き渡る風が気持ちよく感じられるシーズンになり、店主の細井さんは、たくさんの本を背負子に積んで、各地の山に出かけては登山者にさまざまな本を紹介しています。
本業は林業。東京の出身で、一般企業での会社員生活を経て、ネイチャーガイド、森林関係の民間非営利団体(NPO)職員、古書店勤務などさまざまな仕事を経験。2013年から上田市で暮らし、現在は林業に携わっています。「杣Books」を始めたのは、社会にとって大切な林業という仕事に、少しでも関心を持ってほしいとの思いから。その方法を考えた時、自身の身近にあり続けた「本」と「山」を結びつけ、本を担いで山頂で開店するという独特な営業スタイルを思いつきました。「本を作るには、山で育つ木が必要ですからね。そんなこじつけも面白がりながら、『真剣に遊ぶ』気持ちでやっています」。

山頂に並べる本は、小説から自然科学、ノンフィクションと幅広く、その時々でテーマを決めて数十冊を選びます。全ての本に事前に目を通し、内容を聞かれたら説明できるような準備も欠かしません。開店の予告はせず、登山の直前にSNSで発信するだけ。どの山で、何時に開店するかは自身が登ってみないと分からないので、狙って杣Booksに行くことはほぼできません。それだけに「信州の山で杣Booksに会うと幸せになる、みたいな都市伝説ができたらうれしいですね」と、細井さんは冗談交じりに笑います。
山頂で開店すると、お客さんである登山者が話しかけてくるのをさりげなく待つのが細井さん流。そこで売れるのは多くて数冊といいますが、本をきっかけに言葉を交わし、本と誰かをつなぐ時間は、細井さんの思いが形になる大事な時間です。
*写真は細井さんより提供
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