「長塚節(ながつかたかし)文学賞短編小説部門」大賞を受賞
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- 2024年6月29日
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更新日:2024年8月1日
黒沢 勇人 さん (長和町)

今年2月に発表された「第26回長塚節文学賞」の短編小説部門で、大賞を受賞した黒沢勇人さん(67)は長和町で農業を営んでいます。「黒沢佳」のペンネームで著した受賞作品「棚田オルガン」は、農業を営む一方で別の仕事もしながら生計を立てる若い女性を主人公に、農村での日々を描いた物語です。
同文学賞は、農村文学を確立した歌人で作家の長塚節(1879~1915年)を顕彰し、出身地の茨城県常総市などが主催。黒沢さんは同部門の応募作177編の中から、最高賞に選ばれました。
黒沢さんはもともと長和町の職員として勤めてきましたが、親の介護のために50歳過ぎで早期退職。文章を書くようになったのはそれから。雑誌に投稿したエッセーが高く評価され、担当者に「小説に向いた文体ですね」と勧められて、小説の執筆を始めました。創作のペースは年に1~2本といい、2015年には農村医療をテーマにした作品で、日本農民文学会の農民文学賞を受賞しています。

本業の農業は70㌃の農地で米、果樹、野菜を生産。冬の間も果樹の剪定をしたり、エゴマの油を絞ったりと、年間通して切れ目なく働いています。その間を縫っての執筆は「農作業や人との付き合い、テレビを見ている時など普段の生活の中で思いついた時に書いています」。
次回作のテーマは、新潟県の高田(現上越市)や長岡を中心にかつて活動していた盲目の女性旅芸人「瞽女(ごぜ)」について。3年ほど前から現地を訪ねたり資料を調べたりしており、瞽女の一行が毎年夏に上小地方にも来て、大切にされていた、という記録も目にしました。山間に暮らす人々や、小農、家族農業のことなどを広く知ってほしい、という黒沢さん。「これからもこのスタンスで執筆を続けたい」と、意欲を見せています。
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