9月1日は大腸がん検診の日早期発見が重要!定期的な検査を!
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- 8月30日
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9月は「がん制圧月間」です。初日の1日が「大腸がん検診の日」とされていることにちなんで、今回は日本人と大腸がんについて、上田市の日比優一クリニックの院長・日比優一さんにお話を聞きました。
◆食べ物の最後の通り道
大腸は、食べ物の最後の通り道となる臓器です。小腸に続いて、右下腹部から始まり、おなかの中をぐるりと大きく回って、肛門につながります。長さは1・5~2㍍ほど。結腸(盲腸・上行結腸・横行結腸・下行結腸・S状結腸)と直腸に分かれます。
人それぞれ顔が違うように、大腸の形も人によって違いがあるといい、水分を吸収するのが主な役目のためか、防御が弱い臓器でもあります。
◆早期発見が肝心
大腸がんは結腸や直腸にできる悪性腫瘍の総称で、主に「腺腫」という良性のポリープが徐々に大きくなって発生します。40代から多くなり、喫煙や飲酒、肥満などが危険因子だと言われています。国内では増加傾向で、がんの罹患(りかん)数では第1位、がんによる死亡原因では男性で2位、女性では1位になっています。早い段階で見つかればほとんどの人が治ります。
ただ、早期の大腸がんは自覚症状がないことが多いです。進行すると血便や腹痛といった症状が出てきますが、その前に発見することが重要になってきます。
大腸がん検診は、市町村が実施しており、40歳以上で年に1回、受けることが推奨されています。この検診で行われるのは便潜血検査で、2日間分の便を採取して、便に血が混じっていないかどうかを調べます。血液が検出されると、精密検査が必要と判断されます。
痔があると、そのために出血したのだと自己判断される人もいますが、それは危険です。痔によるものなのか、大腸からの出血なのかは、便だけでは判断できません。精密検査が必要と言われたら、必ず受けるようにしましょう。
それでも、便潜血検査で見つかる大腸がんのうち、早期のものは半分程度とされています
◆30代で一度、50代以降は2~3年おきに内視鏡検査を
早期発見のためには、大腸がん検診の対象年齢になる前から動くのが一つのポイント。患者数の第1のピークになる40歳になる前に一度、大腸がんの専門的な検査を受けましょう。50歳になると、患者数が第2のピークになります。50歳になったら、それ以降は2~3年に一度くらいの頻度で専門の検査を受けるようにします。
一般的なのは「大腸内視鏡検査」です。下剤を服用して、大腸の中を空っぽにしてから内視鏡を肛門から挿入して、直腸から盲腸までの大腸全体を詳しく調べます。内視鏡で大腸の中を詳しく見るため、小さなポリープも見つけることができます。
◆体の負担が軽いCT検査も

大量の下剤を飲むのが体力的につらい人や、内視鏡検査で痛い思いをした人(全部入らなかった人)などは、体への負担がだいぶ軽い「大腸CT検査」という方法があります。自費診療になりますが、検査時間は10分弱で、費用は3万円程度が一般的です。前夜に下剤を500㍉㍑飲み、当日は食事をせずにさらに500㍉㍑飲みます。横向きに寝て肛門から直径6㍉のシリコンチューブを浅く入れ、炭酸ガスを腸のなかに挿入します。腸が膨らんだ状態でCT撮影をします。
大腸だけでなく、周辺の臓器の様子も検査できます。心配な被ばく量は、日常生活で浴びる太陽からの放射線と同じレベル。女性でやせ型の人、腸が長い人、便秘気味の人なども、大腸CT検査を検討してみてよいかもしれません。
検査の前には問診が必要で、その日受診してすぐ検査を受けられるわけではありません。事前に予約をしておいた方がよいでしょう。
◆がんが見つかったら
大腸がんの場合、早期であれば、一般的には病変部を内視鏡で切除するだけ。その後は、定期検査で経過を見ていきます。
がんが進行してしまうと外科手術はもっと大掛かりになり、抗がん剤などの薬物療法や放射線による治療といった方法も必要になる場合があります。それを考えると、早期で発見できれば、入院や治療のつらさもだいぶ軽減されることが多いです。
早くに手を打つことができれば、命の危険が避けられ、心身への負担も軽くすむのが大腸がんです。早期発見のために、ぜひ定期的な検査を受けるようにしましょう。
どこで受けられるか、どれくらいの費用がかかるのかといった疑問は、かかりつけの医療機関にご相談ください。
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