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この夏は浴衣に注目!

 夏の和装といえば、浴衣がイメージされます。本来はカジュアル着ですが、自分に合ったサイズの浴衣は着こなしが様になり、夏祭りやイベントに着ていけば、場の雰囲気もぐっと華やぎます。本格的な夏を前に、浴衣の着こなし方などのポイントを押さえておきましょう。(取材協力/ゆたかや)



浴衣の素材

 木綿地で、通常の単衣(ひとえ)用の生地よりもやや粗めに織った平織りのものが一般的です。高級な浴衣生地には、「小千谷縮(麻)」や「阿波しじら織(木綿)」などの「縮織(楊柳)」があります。また、太さの異なる糸を用いて細かなワッフル状の織地をつくる「紅梅織」で作られた「綿紅梅」(木綿製)「絹紅梅」(木綿と絹の交織)なども。近年は、通気性が良く、洗濯が手軽にできる高性能ポリエステル素材のものも増えてきました。

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着こなし方

①浴衣の着付けは長襦袢(じゅばん)を着けないので、着るのにひと手間省けて手軽です。その分、下着が透けないよう、和装用や浴衣用の肌着を利用しましょう(吸水性、通気性の高いタンクトップやステテコでも代用できます)。

ただし、浴衣をきれいに保ち、和装らしく美しい姿にするため、タオルやガーゼ素材の当て布で胸や腰回りを補正することは大事です。


②衿合わせの仕方は、左上です。「向かい合った相手から見るとアルファベットの小文 字の〝y〟になるように」「自分の右手を襟に差し入れやすいように」と覚えると間違えにくいです。


③合わせる帯は、男性は角帯、女性は半幅帯が一般的です。いわゆる「家着」であるため、扱いの簡単な兵児帯(へこおび、へごおび)を用いることもあります。


④履物は、素足に下駄が一般的です。男性の場合は雪駄も履きます。ちょっとした食事処にお出かけのときは、レース足袋を合わせるのもおしゃれです。



最近の流行と暑さ対策

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 振袖の流行が、浴衣にも反映されるようで、近年、くすみパステルカラーが好評。また、白系(ベージュ、クリーム)の人気も高いようです。

 半幅帯に兵児帯をプラスアレンジ(写真=上=)、前板の上にレースのついたもので華やかになど、帯周りを飾る着こなしも注目です。浴衣に半襟や飾り紐などを利用し、名古屋帯を締めるなど、あえて着物風にアレンジすると、「他の人との違い」が演出できそうです。


●暑さ対策 和装小物は、通気性の高い正絹の伊達締めや夏用帯板・腰ひもが一番です。また、メッシュやへちま素材のものなどを活用しましょう。日傘や扇子、保冷剤の活用も。


●アドバイス 浴衣を仕立てる場合は、注文から納品まで、少なくとも3週間〜1ヵ月の期間が必要です。縮み防止と、美しい仕上がりのために「水通し」を行い、和裁士が一針ごと縫い上げるので時間がかかります。



浴衣とは

 平安時代、貴族が蒸風呂に入る際に着用した湯帷子(ゆかたびら)がその原型とされています。湯上がりに、素肌の上に着る部屋着で、洋装が一般化してからは寝巻きとしての用途が主でした。現在では夏のおしゃれアイテムの一つとして夏祭りなどに着る人が多くいます。海外からの観光客が増えている昨今は、日本のお土産としても重宝されています。

 日本ゆかた連合会は1981(昭和56)年、中国の故事にちなんで、七夕の7月7日を「ゆかたの日」と制定しました。



甚兵衛

 甚平とは、男性あるいは子どもの着る和装の家着の一種で、甚兵衛(じんべえ)ともいいます。最近では、女性用も多く出回るようになってきました。下衣は、半ズボンのようになっており、上衣の脇の部分は風通しをよくするため、たこ糸で編まれています。

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