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はじまりの季節に読みたい絵本


©すもも
©すもも

 もうすぐ新年度が始まります。新生活や新しいことを始める人、それを見守る人たちに読んでほしい絵本を、上田市内の小学校で児童に本を紹介する事業「本はともだち」で講師をしている山浦美幸さんに紹介してもらいました。


🌸こすずめのぼうけん

ルース・エインズワース/作

堀内 誠一/画

石井 桃子/訳 

福音館書店



子どもの挑戦を見守る

 こすずめがおかあさんすずめに飛び方を教わり、初めて巣から飛び立った日、ちゃんと飛べた喜びで、おかあさんの指示を忘れて飛び続けます。だんだん羽が痛くなってきたこすずめは、出会った鳥たちに、次々に助けを求めます。助けてくれないけれど、攻撃するわけでもない鳥たち。その中で〝初めて〟に挑戦するこずずめの姿が際立ちます。そして、安心できる場所があってこそ頑張れるのだと、見守る側の大切さが大人の心に残ります。子どもは、こすずめに寄り添って楽しむので読み聞かせにもお薦めです。


🎸はじまりの日

ボブ・ディラン/作

ポール・ロジャース/絵

アーサー・ビナード/訳 

岩崎書店



わが子へのメッセージ 愛情を込めて

 米国のシンガー・ソングライターでノーベル文学賞受賞者のボブ・ディランが、息子を思って作ったと言われる名曲「Forever Young(邦題・いつまでも若く)」。その歌詞に絵をつけたのがこの絵本です。日常を切り取った穏やかな絵は、歌詞の持つメッセージ性に静かに優しく寄り添い、曲を知らなくても心が揺さぶられます。自分で読むことでより味わいが深く、中高生にもおすすめです。絵の中にはディランゆかりのある人物や場所が描かれ、往年のファンにもうれしい本です。


🌹のはらひめ

おひめさま城のひみつ

なかがわちひろ/作 

徳間書店



楽しい物語に引き込まれる

 主人公はおひめさまになりたいと思っている幼い女の子、まりちゃん。世界中のおひめさまが全員ここで学んだというおひめさま城から使いが来て、まりちゃんもそこで修業をすることに。おひめさまになりたい人もそうでない人も、一気に物語の世界に引き込まれ、人として大事な姿勢も絶妙な距離感で伝えてくれます。子どもから大人まで飽きることなく読める面白さで、絵も隅々まで見ればさらに楽しい。小学校低学年以上なら、自分で読んだ方が楽しめます。


🌷リディアのガーデニング

サラ・スチュワート/文

デイビット・スモール/絵

福本友美子/訳 

アスラン書房



前向きな姿勢が元気をくれる

 舞台は1930年代の米国。主人公のリディアは、家族が大恐慌の影響で生活が苦しくなったため、おじさんの家へ預けられます。そこでの暮らしを、リディアが家族に書いた手紙だけで物語は進みます。前向きで家族のことを思いやり、へこたれない等身大のリディアが手紙だからこそ伝わります。リディアが語らない部分も絵に描かれているので、繰り返し読むことでしっくりくる絵本。一人読みに慣れてきた小学校中学年くらいから楽しめます。


*今回ご紹介した絵本は「リディアのガーデニング」以外、購入することができます。

また、すべて上田地域図書館情報ネットワーク「エコール」の図書館に所蔵されています。所蔵館については「エコール」で検索してください。

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