top of page

みんなの千曲川

 信濃の国でも歌われる「千曲川」は東信・北信地方を貫く一級河川。上田地域に暮らす私たちには身近な水辺でもあります。河原を吹き抜ける風が気持ち良い季節、千曲川の文化や川魚が直面する課題を知り、足を運んでみませんか。











伝統のつけば漁とアユ釣り

 毎年5月上旬、ウグイ(通称ハヤ)の「つけば漁」が始まります。江戸時代から続く伝統的な漁で、玉砂利を敷き詰めた人工の産卵場所「つけば」におびき寄せて捕まえます。上小地区のつけば小屋では、6月末までウグイの唐揚げや塩焼きが楽しめます。現在営業しているのは、上田市の鯉西とひばち屋の2軒です。

 千曲川はアユ釣りの盛んな川としても知られてきました。上小漁業協同組合は今期、千曲川と支流に稚アユ計2㌧を放流しました。21日は「友釣り」解禁日。友釣りは、掛け針をつけたおとりを泳がせ、追い払おうと近付いてくるアユを釣り上げる方法です。漁協が管理する漁場で釣りをする際は遊漁料を納付し、遊漁券を携帯する必要があります。また、おとりはアユの病気予防のため管内の販売店で買うよう呼び掛けています。詳細は同組合ホームページhttps://www.josyogyokyo.com/で。


漁業被害とその対策

◆ブラックバス・ブルーギル

 千曲川や支流では、2009年頃からアユやハヤが外来魚のブラックバスなどに捕食される被害が目立つようになりました。対策に取り組んできた上小漁協の北條作美組合長は「千曲川と支流のブラックバスは2019年の台風19号で下流に流され、一時期少なくなりましたがまた増えてきており、体長も大きなものが見つかっています」と話しています。今年も組合員や遊漁者(ゆうぎょしゃ)の外来魚の買い取り(1㌔1000円)や、7~9月には駆除のための釣りイベントを企画しています。


◆ミズワタクチビルケイソウ

 昨年、上小漁協管内にある長和町大門の本沢上流で、在来の藻やコケをエサにするアユの生育への影響も懸念される外来藻類の一種「ミズワタクチビルケイソウ」が初めて見つかりました。有効な駆除手段がなく、同漁協は、河川で発見した場合はすぐに連絡することと、使用したウェーダー(胴長靴)や道具類はアルコール消毒や海水ほどの濃度の塩水で洗うことを呼び掛けています。見かけた人は同組合(☎0268・22・0813)に場所の連絡を。


◆カワウ

 魚を丸のみする体長およそ80㌢の大型の水鳥カワウやアオサギによる被害も増えています。地元の漁師によると、放流したかなりの数のアユが食べられてしまったことも。上小漁協では今季、市内企業が開発した分解プラスチック製の「カワウ忌避(きひ)バンド」をテトラや樹木に設置。触れると痛みやしびれを感じるため、危険な場所と認識させて遠ざけることができます。また、ウグイをエサにしたカワウの駆除は上小地域の特徴で、一昨年は23羽の駆除に成功しました。


川の魅力を伝えるために

 上小漁協では稚魚放流の際、川に近い小学校の児童に参加してもらうなど、子どもたちに川に親しんでもらう取り組みを続けています。8月下旬には、子ども向けの「渓流釣り体験会」を青木村のリフレッシュパークあおきで開く予定。また漁協の組合会館(上田市常田)では、魚のはく製や説明パネル、古い漁具を観覧することもできます(無料)。

Opmerkingen


bottom of page