上田クロニクル年代記上田・小県洋画史100年の系譜
- weeklyueda2024
- 2024年1月13日
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児童自由画教育運動や農民美術運動を主導した芸術家・山本鼎(1882~1946年)がこの地域に「美術」の種を蒔いてからおよそ100年。そこから現在までの上田小県地域の美術史をたどる企画展「上田クロニクル―上田・小県洋画史100年の系譜」が、今日13日から、上田市立美術館と東御市梅野記念絵画館の連携事業として両館で始まります。同展ではこの100年を、年代ごとに四つの「章」に分けて作品を展示。山本鼎が蒔いた種がどう育ち、花開いたかが作品を通じて感じられるクロニクル(年代記)です。

この100年の大きな流れ
山本鼎は、愛知県岡崎市出身の画家、版画家で、大正時代の中頃から両親の実家があった神川村(現上田市)を拠点の一つに。上田では子どもたちの独創性を大切にする「児童自由画教育運動」、大人たちには木彫などを教えてデザイン性を生かした製品を生み出す「農民美術運動」を始め、日本の美術界に大きな影響を与えました。
その思いは、第2次大戦前に山本鼎の盟友・倉田白羊が作った美術団体「ノア会」、戦後は岡鹿之助の「鹿苑会」に引き継がれ、現在活動している「春陽会東北信研究会」などもその流れをくんでいます。
第1章 山本鼎と「農民美術研究所」
今年100年を迎えた春陽会を創立した、日本農民美術研究所の主要メンバーの作品を紹介します。
第2章 倉田白羊と「ノア会」
鼎から招かれ上田市に移住した洋画家、倉田白羊が立ち上げた、洋画研究団体「ノア会」など上田地域の画家たちの作品を紹介します。
第3章 岡鹿之助と「鹿苑会」
戦後間もなく、講師として、当地で指導したのが春陽会の俊才・岡鹿之助です。沓掛利通、丸山恒雄、池田輝、滝之入源など、「鹿苑会」の主要メンバーの画家たちを紹介します。

◆上田市立美術館 ☎27・2300
午前9時~午後5時 休館/火曜日
◆東御市梅野記念絵画館 ☎61・6161
午前9時半~午後5時
休館/月曜日、祝日と重なる場合は翌日
◆一般600円、高大生400円、小中生200円(2館共通券)
*関連イベントあり
鹿苑会の指導者 岡鹿之介
(1898〜1978年)
洋画家、岡鹿之助は、1948(昭和23)年から30年間「鹿苑会」の指導者として、たびたび上田を訪問しました。その際、県内各地を訪ね発電所をモチーフとした作品を残しています。《雪の発電所》は山ノ内町で描いたもの。56(昭和31)年の第2回現代日本美術展で最優秀賞を獲得し、毎日芸術賞も受賞しました。
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