八重原シェークスピアガーデンで名作の世界に浸ろう
- weekly-ueda
- 2024年6月15日
- 読了時間: 3分
東御市八重原の芸術むら公園近くにある、英国の劇作家ウィリアム・シェークスピアの戯曲(演劇の脚本)に登場する植物を集めた「八重原シェークスピアガーデン」は、毎年4~10月に公開されています。清水計枝さんが心を込めて育てている四季折々の花が美しい同ガーデンで、名作劇の世界に浸ってみませんか。
ウィリアム・シェークスピア 1564~1616年

英国の劇作家、詩人。俳優として活動する傍ら、戯曲も手がけ「ハムレット」「オセロ」「マクベス」「リア王」の四大悲劇のほか「ロミオとジュリエット」「夏の夜の夢」「ベニスの商人」「十二夜」「リチャード三世」など多数の名作を生み出した。
東京からUターンして

清水さん=写真=は北御牧村(現東御市)出身で、中学2年生のとき上田市へ引っ越し、上田高校、東京女子大学社会学科を卒業。定年退職後、東京から北御牧にUターンしました。清水さんの娘でグリーンアドバイザーの伴子さんが、現在の八重原シェークスピアガーデンがある場所を気に入り、テーマごとに植物を配置した設計図を書いて、10年ほど前にオープン。同ガーデンには、シェークスピア作品に登場する150種の植物のうち、80種があります。
物語に深みを与えるアイテム
清水さんが娘の伴子さんとガーデンを造ったきっかけは、英国を旅行してシェークスピアの生家や最後に住んだ家を訪れた際、シェークスピア劇に登場する植物が植えられた「シェークスピアガーデンズ」を見たこと。

そこに植えられた植物の多さに驚いた清水さんは、シェークスピアを読み直し、あらためてそれらの植物が物語に深みを与える重要なアイテムになっていることを感じました。「どんな樹木や草花かを知れば、より一層物語の情景やせりふが理解できる。植物と共にもっとシェークスピアの世界を楽しんでもらおう」と考えました。
日本でよく読まれている翻訳本では植物の説明がいまひとつ足りず、作品の世界を感じられる庭造りには苦労した、と清水さんは振り返っています。
作品ごとに配置された植物
メインストリートは、英国の生家にも植えられている桑の木をシンボルツリーにし、その両側にバラを配しています。5月中旬には、英国から種を仕入れたという、ピンク色のセンノウが群生していました。

名作の悲劇「ハムレット」をテーマにした一角には、センノウ、オダマキ、デージーなど、作中に出てくる草花が。また、喜劇「夏の夜の夢」がテーマの一角には、オーク(樫)をシンボルツリーに、スイカズラ、タイム、パンジー、プリムローズ、セイヨウニンジンボクが植えられており、訪れる人をそれぞれの作品の世界に誘います。
ガーデンを紹介する本も
清水さんは、2019年に『八重原シェークスピアガーデンの植物』(1980円)を自費出版。2020年には東御市のサンテラスホール展示室で、この著作の原画展を開催しました。同書はまだ在庫があり、希望者はクラフト舎(☎0263・25・4329)に問い合わせを。
八重原シェークスピアガーデン
◆東御市八重原白水平3533-1216
◆公開は4月下旬~10月上旬の午前10時~午後3時。入場無料
◆夏はバラ、ユリ、アザミ、アイリス、オダマキ、イタリアニンジンボク、スイカズラなどの花が見頃
《問》清水さん ☎0268・61・6266
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