冬の乾燥肌対策
- weeklyueda2024
- 2024年2月3日
- 読了時間: 4分
更新日:2024年3月28日
冬真っ盛り。この時季は皮膚の乾燥や荒れが気になりませんか。スキンケアのポイントは、▼清潔に保つ「保清」▼潤いを与える「保湿」▼紫外線などの刺激を避ける「保護」の三つです。寒い季節に、肌を整える具体的なアドバイスを皮膚科の専門医に聞きました。
(お話は上田市小牧の渡辺皮膚科・形成外科クリニック、渡辺朋美先生)

冬に起こりやすい皮膚疾患
冬は空気が乾燥する上、室内では暖房器具を使うため、皮膚がとても乾燥しやすくなります。それが原因で起きやすくなる疾患を挙げます。
・皮脂欠乏症、皮脂欠乏性皮膚炎
皮膚がカサカサして粉を吹いたような状態、さらには皮膚の表現にひび割れができた状態を皮脂欠乏症(ドライスキン)と言います。放っておくと皮膚に炎症が起こり、赤みやかゆみが強い「皮膚欠乏性皮膚炎」を発症します。特にすねや腰回りに起こりやすく、掻くとさらに悪化します。早めに治療することが大切です。
・アトピー性皮膚炎
汗をかきやすい夏にも悪化しますが、皮膚が乾燥する冬にも悪化することが多いです。
※子どもは特に注意を
子どもの皮膚はバリア機能が弱いので、皮膚が乾燥しやすいです。乾燥してさらにバリア機能が低下すると、外からの刺激で皮膚炎を起こしやすくなります。かゆみを我慢できない子は多く、かきむしることで炎症が悪化することも多いです。
また、乾燥した肌からアレルゲン(アレルギーの元になる物質)が入りやすくなり、全身的なアレルギー症状を引き起こす可能性もあります。
皮膚が乾燥してザラザラした状態が続いているときは近くの皮膚科を受診しましょう。
お肌の健康を保つために
・部屋の環境を整える
冬の適切な室内環境は、温度が20~25度、湿度が50~60%を目安に。湿度を保つには、加湿器や濡れタオル、洗濯物を干しておくことなどが有効です。

・皮膚を清潔に保つ
最初にぬるめのお湯で汚れを落としてから、ハンドソープや石けんをよく泡立て、手のひらで優しく洗うことが大切です。強くこすらないよう注意。洗浄剤は、敏感肌の人なら低刺激な弱酸性など、自分の肌に合うものを選びましょう。最後はしっかりと洗い流して。
・適度な入浴
38~40度が、皮膚のバリア機能を回復させる適温です。お風呂に長くつかり過ぎると、かえって乾燥肌が進むので、10~15分で上がるように。体についた水分は、タオルなどを軽く押し当て、優しく拭き取りましょう。
・保湿剤は入浴後早めに
入浴後は、時間とともに肌が乾燥するので、できれば10分以内に保湿剤を塗ることが大切。脱衣所に用意しておくといいですね。顔はもちろんのこと、すねや腰にもしっかりと塗っておきましょう。保湿剤は、白色ワセリン、尿素(刺激が気になる人は避ける)、ヘパリン類似物質、セラミドなどがよいでしょう。
・衣類は優しい肌触りのものを
皮膚への刺激を避けるため、衣類は優しい肌触りの繊維を選びましょう。通気性や吸湿性にも留意します。洗濯の際には、洗剤や柔軟剤が残らないよう、よくすすぎましょう。
・紫外線対策も忘れず
※肌に赤みやかゆみがあるときはもちろん、保湿剤を塗っても肌のザラザラが取れないときには、早めに皮膚科を受診し、適切な治療を受けましょう。

1FTU(ワンフィンガーティップユニット)とは?
・軟膏やクリーム
人差し指の先から第一関節まで出した量をいいます。(口径の小さい5㌘チューブでは0・2㌘程度、10㌘チューブでは0・3㌘程度となり、1FTU=約0・5㌘になるのは25~50㌘チューブの場合です)
・ローション
1円玉の大きさが、1FTUの目安です。
※手のひら2枚分の面積(体表面積の約2%)が塗布する目安です。
【保湿剤の塗り方】
・優しくなでるように塗る
・ティッシュペーパーが肌にはりついて、ゆっくりと落ちる程度の感覚
・多めにまんべんなく伸ばす
FTUの考え方は、広く外用薬(塗り薬)を塗る際の目安量として知られるようになりましたが、本来はステロイド外用薬を塗るときの目安を示したものです。塗る量に別の決まりや目安がある薬もあります。医師や薬剤師から指示があった場合には、それに従いましょう。
.png)




コメント