夏の着物を着こなす涼しく着る/見えるコツ
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- 5月24日
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5月とはいえ、汗ばむほどの陽気に、夏の気配を感じます。暑い時季に、少しでも涼しく着る(涼しく見える)工夫を、和道文化学院(上田市古里)の渡辺香代子さんに聞きました。

着物
地球温暖化が進む今、体調を崩さないことが最も大事です。夏の装いは暦ではなく、気温を目安に。25度で単衣(ひとえ)、28度を超えたら夏物に、といった具合に、衣替えをしましょう。
着物の色は、装いの楽しみの一つ。私はお盆を境に雰囲気を変えています。初夏からお盆は、明るい色、さわやかな色を選び、薄い、もしくははっきりとした色にします(写真左の絽=糸をからませて透き目を作った、盛夏用の絹織物)。お盆以降は秋を予感させるような、落ち着きのある色やくすんだ色を選びます。キーワードは「自然に寄り添うこと」そして「季節を先取りすること」です。
下着や襦袢
着物の内側に着るものでも暑さ対策ができます。肌に直接ふれる下着は、涼しい素材がありますが、一方で、厚地の生地でできた「汗取り襦袢」に汗を吸わせて、着物に汗がしみ通らないようにする人もいます。また、「冷感スプレー」を和装下着に吹き付けたり、冷感の汗拭きシートで首回りなどを拭いたりすると快適です。
帯
前帯の幅を広く見せるのがおしゃれな着方ですが、幅出しが多いと暑苦しくなるので、冬よりも狭くします。
足袋
足袋にも「夏用」があり、明らかに違うのでおススメです。
小物で涼しさを演出

扇子やうちわは、袖口から風を送るとゆったり優雅な仕草になります。大切な話をしているとき、目上の人の前、レストランなどで配膳されるときや食事中などは使用を控えましょう。
意外かもしれませんが洋服用のバッグにも、和装に合うものがあります。
「浴衣には下駄」ですが、白木の下駄は足袋を履かないと足の汗で染みが付いてしまいます。裸足で履くなら塗り下駄か焼き桐の下駄に。
また、日傘は日除けだけでなく、見ている人にも涼しさを感じさせます。
着付けの工夫
襟合わせを少しゆったりさせると、首回りに風が通って体温を逃がせます。半襟の見せ加減は冬物より細く。着丈も冬物の着方よりやや短かめが涼しげでスッキリ見えます。
着たら洗濯を
汗は着物の大敵です。着用後は必ず洗いましょう。化学繊維であっても、心配なものはクリーニングへ。木綿も縮むので浴衣も専門家に任せます。クリーニングに出す場合は、「着物を洗えますか」と確認をとることも大切です。
暑すぎる日は無理せずに
暑さをしのぐためにいろいろな工夫をしたとしても、和服は、今の日本の猛暑まで想定してできた衣装ではありません。あまり気温の高い日は、無理をしない方が良いでしょう。
浴衣の柄も時節に合わせて

浴衣は、お祭りや花火大会などで着る方も多いでしょう。色柄選びのコツは、夏の前半なら、白など薄目の地色で、明るめのはっきりした色が爽やか。朝顔や金魚、水玉や流水など、夏らしい絵柄が映えます(=写真右)。
お盆を過ぎたら、地色はベージュや赤系など、深い色、くすんだ色に。柄はハギやススキ、トンボなど、近づく秋のイメージにすると良いでしょう(=写真下)。
自分に似合うかどうかとともに、前述のキーワードも参考に選んでください。
ショートカットの方が髪型をちょっと工夫したいときは、こめかみの辺りなど、顔周りの髪を上げると、スッキリ涼しげになります。

浴衣はぜひ、男性も挑戦してください。細帯をキリッと締め、下駄を鳴らして歩く姿は「粋」なものです。
★お話をお聞きした和道文化学院の問い合わせは
☎0268・24・0424 です。
ホームページもあります。
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