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蚕都・上田の歴史を物語る「旧土屋家住宅」新たな国登録有形文化財


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 上田市下室賀にある旧土屋家住宅の母屋がこのほど、国の登録有形文化財になりました。明治時代に建てられた養蚕農家の家屋で、上田が「蚕都」と言われた時代の面影を残す同住宅の特徴を紹介します。


◆かやぶき屋根を鉄板で保護

建物の裏側
建物の裏側

 屋根はかやぶきと瓦ぶき。現在は鉄板で覆われていますが、屋根の端などを見ると、丹念にかやぶきが施されているのが分かります。かやぶき屋根は定期的なふき替えが必要ですが、鉄板で覆うことでその期間を長くすることができるといいます。







◆総2階の、風通し良い家


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 1892(明治25)年に建てられた、木造二階建ての養蚕家屋。総2階の構造や、大きくとられた2階の窓などが、当時の上田地域の養蚕農家の形式を伝えています。

 2階の蚕室は、南北に壁の高さ全部を使った大きな窓があり、風が吹き抜けるようになっています。蚕室の横には、手伝いをする人が寝泊まりした部屋もあります。




◆大きな家を支える梁(はり)と柱


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 建築当初からある太い柱と梁が、母屋の随所に見られるのも特徴の一つ。立派な木材が使われており、「今このような柱や梁はなかなか入手できない」(所有者の田中仁志さん)といいます。







◆地域の歴史を受け継ぎコミュニティーの核に

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 現在の所有者は田中仁志さん(33)。10年前に家族で土屋家の隣の家に引っ越してきて暮らしていたところ、土屋家から「家を継ぐ人がいないので売りたいが、知らない人には売りたくない」と話があり、「土屋さんが代々大事に使って引き継いだ家屋。買って大事に使い、次の世代に残すしかない」と3年前に購入。家だけでなく山や畑合わせて約4・6㌶の広大な敷地を活用して、現在は地域のコミュニティーの核になる場「ゆくらど」を運営。干し柿作りや星空観察会などのイベントを行いながら、人々が集える場を提供しています。


●旧土屋家住宅は、事前に田中さんに連絡すれば見学が可能です。

 問い合わせは田中さん(☎070・8318・9815)へ。

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