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地域に伝わる「つるしびな」 望月歴史民俗資料館で3月16日まで展示中

矢嶋八重子さん(佐久市 79歳)

新しいものを作る楽しさがものづくりの幅を広げて

 佐久市望月の矢嶋八重子さんは、地域に伝わるひな祭りの飾り「つるしびな」や「傘飾り」を作り続けて約20年。現在、佐久市市望月歴史民俗資料館で開かれている「郷土のひな人形展」では、地域に伝わる江戸時代のひな人形などとともに、これまでに作ってきた作品も展示されています。

 つるしびなは、布製の小さな人形をいくつか、1本の糸で連ね、天井などからつるす飾りで、ひな祭りに女の子の健やかな成長と幸せを願うため、古くから受け継がれてきました。一つ一つの人形は、色も模様もさまざま、縁起の良いいわれがあり、ひな祭りの雰囲気をさらに華やかに彩ります。

 矢嶋さんは、地域で行われたつるしびな作りの講習会に参加したことがきっかけで、制作をスタート。新しい作品に挑戦するのが好きで、上田市や坂城町でも技術を学びながら、つるしびなだけでなく、タペストリーなどさまざまな作品を手がけるようになりました。

 つるしびなを作る上で「一番大変なのは布探しですね」と矢嶋さん。作品のイメージに合う布を上田市内で買い求めるほか、普段の生活の中でも、良さそうな布があれば取っておくよう心がけてもいます。

 2007年からは周囲の要望で講師も務めるようになり、地元の公民館で教室「ひなの会」を開講。現在は70~80代を中心に市内外から11人の会員が集まり、それぞれのペースで楽しみながら作品作りを進めています。

「高齢になっても、仲間とみんなで楽しく過ごせる時間があるのはいいことですよね。生徒さんの中には、制作が生きがいだという方もいます」と、自身も会員との触れ合いを楽しんでいるようです。

「郷土のひな人形展」は、3月16日(日)まで。

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