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サントミューゼ開館10周年記念事業特別展 「ハッケン! 上田の仏像」

上田市内の選りすぐりの仏教彫刻が上田市立美術館に大集合!

千寿観音菩薩立像 長福寺


 上田市教育委員会では、2016(平成28)年度から、市内全域の仏像調査を行ってきました。その成果を伝える特別展が今日11日から、上田市立美術館で開かれます。これまで知られていなかった貴重な仏像をはじめ、国重要文化財、県宝、市指定文化財を含め合わせて約70点を一堂に展示。奈良時代に信濃国分寺が置かれて以来、地域に育まれた豊かな仏教文化に触れる同展の主な内容を紹介します。


展覧会の見どころ

上田で770年ぶりの「再会」 鎌倉時代、中国で学んだ2人の偉大な禅僧


 上田市では「信州の学海」「信州の鎌倉」とも呼ばれるように塩田平を中心として有名な神社仏閣が多くあります。今回の1500件にものぼる調査によって平安時代や鎌倉時代にさかのぼる古い仏像が各地に伝えられていることが分かりました。中でも神畑薬師堂の薬師如来立像(写真右)は平安時代10世紀前半の作とされ、上田市内の木彫の仏像では最も古い像で、薬師如来でありながら吉祥天の姿をした「吉祥薬師」とよばれる非常に珍しい像です(新・上田市指定文化財)。











 他にも前山寺の本尊である大日如来坐像(写真左)は鎌倉時代の非常に優れた作品で、金箔を非常に細く切り貼り合わせていく「截金」と呼ばれる見事な細工が見られます(新・上田市指定文化財)。

 別所温泉安楽寺を開いた樵谷惟仙(写真下)は鎌倉建長寺を開いた蘭渓道隆と共に鎌倉時代に中国から帰国したことで知られていますが、帰国後はほとんど再会できなかったとされています。安楽寺と建長寺に本人を写した「頂相」が伝わっており、今回770年ぶりの再会をこの上田の地で果たしていることになります(重要文化財)。

 そのほかにも市内の古い仏像や仏師名、造像の支援者銘が書かれた興味深い仏像のほか、市外からも関連する貴重な仏像が集結する、上田市としてはじめてとなる仏像の大規模展です。特別展「ハッケン! 上田の仏像」に、ぜひお越しください。


文章:上田市教育委員会生涯学習・文化財課文化財保護担当 主査・谷口 弘毅 さん





展覧会案内

会  期●11日(土)〜3月9日(日)

開館時間●午前9時~午後5時

休館日●火曜日(2月11日は開館)、

     2月12日(水)

入館料●一般1200円、高大生500円、小中生300円

主  催●上田市の仏教美術展実行委員会(上田市・上田市教育委員会ほか)


関連イベント

展覧会監修者講演会

「調査でハッケン! 上田の仏像」

⬥2月8日(土)午後1時半~3時 

⬥サントミューゼ多目的ルーム

⬥資料代200円(要観覧券または半券)

⬥講師/実践女子大学教授・武笠朗さん

⬥17日(金)~2月2日(日)午後5時までに、サントミューゼホームページの応募フォームから申し込む

⬥定員70人


ギャラリートーク

⬥19日(日)、3月2日(日)午後1時半~2時10分

⬥美術館2階展示室

⬥観覧券が必要

⬥講師/上田市文化財保護審議会委員

    小倉絵里子さん

⬥申し込み不要


夜のさんぽミューゼ(夜間観覧)

⬥31日(金)午後6時~8時(トークは午後6時半開始)

⬥美術館2階展示室

⬥1900円(観覧料・お茶・お菓子代含む)

⬥講師/常楽寺美術館学芸員・中沢徳士さん

⬥上田の仏像の歴史的背景などを、調査に携わった常楽寺美術館の学芸員が説明します

⬥17日(金)~26日(日)午後5時までに、サントミューゼホームページの応募フォームから申し込む

⬥定員20人

〈問〉上田市立美術館 ☎0268・27・2300

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