第50回信州版画展で長野県知事賞受賞
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- 2024年11月30日
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徳丸 隆さん (89歳 上田市長瀬)

最後の仕上げがうまくいった時の喜びが格別
上田市長瀬の徳丸隆さんは「生涯の趣味」として版画に取り組んで50年。今年9月には「第50回信州版画展」で長野県知事賞を受賞しました。
受賞作品の木版画「尾野山の秋祭り」は、毎年10月に同市の尾野山地区にある神社で行われるお祭りで、三頭獅子舞を奉納する子どもたちを描いています。「顔におしろいを塗って、墨でヒゲを書いて、ほっぺに赤い丸を塗った子どもが、とにかくかわいらしい」といい、鮮やかな黄色の背景に、動きが感じられる赤い獅子頭、青い衣装の子どもたちの姿が映える作品です。

徳丸さんが版画を始めたきっかけは、会社勤めの傍ら、丸子公民館主催の版画教室で木版画に取り組んだこと。元々絵を描くのが好きだったこともあり今に至るまで打ち込んでいます。これまでにも入選歴はありますが、大きな賞は今回が初めて。「2版多色刷り」という技法で、黒い輪郭線の版と色の版を使って1色ずつ何度も刷ります。自分で選んだ色がうまく出た時が「版画の醍醐味」。絵がずれないように重ねて刷るため、刷る段階での失敗は何度もあるといいます。「最後の仕上がりがうまくいった時の喜びは格別です」という言葉は、難しさの裏返し。そのため、一つの作品を刷るのは1枚だけで「もう一枚刷ろうという気にはなりません」と笑います。
今はもう次の作品に取り掛かっているという89歳の徳丸さん。かつては写真撮影も好きでバイクで出かけては撮影していましたが、今は版画が主。現在は妻と二人暮らし。家事をしながら版画を楽しみ「女房と一緒に長生きしたい」と望んでいます。
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