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切ない恋心を詠み「現代学生百人一首」に

             上田西高3年 遠山こころさん


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まだ君と

居たいと願う帰り道

空けた左手

うしろに隠した


 全国の小、中、高、大学生から募った短歌のコンテスト、「現代学生百人一首」(主催・東洋大学)に、上田西高校3年生の遠山こころさんが詠んだ「まだ君と居たいと願う帰り道空けた左手うしろに隠した」が入選しました。


 上田西高校は、生徒たちの表現力を高める上でも、ふだんなじみのない短歌に関心を持つようにしようと毎年、全校生徒に「現代学生百人一首」への応募を呼び掛けています。全国からは63606首が集まり、このうち同校からは593首の応募がありました。

 遠山さんはふだん、しなの鉄道を利用して通学。この歌は、学校からの帰り道、ボーイフレンドと一緒にいた西上田駅までのシーンを詠んだ作品です。卒業が近いから一緒にいられる時間はあとわずか。左側にいる彼と手をつなぎたかったけれど、なかなか自分からは動くことができなくて、思わず手を隠してしまった…。そんなもどかしい恋心を素直に表現しました。


 作品は、国語の授業中に1時間ほどで完成させたといいます。「題材を考えるのに時間がかかったけれど、このことを書こうと思ったら、スラっとできてしまいました」

 卒業後は、ブライダル・ホテル系の専門学校へ進学。一方、彼は県外の大学へ進学が決まっており、遠距離恋愛になりそう。入選が決まってからこの歌を知った彼からは「言ってくれればいいのに」と言われたそうです。


「まさか入選するとは思っていなかったのでうれしい」というのが率直な感想。限られた文字数の中で心情を表現する短歌の面白さを感じることができました。「ちょっと自信がついたかもしれません。今後も短歌を続けていきたいと思います」と、新たな作品作りに意欲を見せていました。


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